子供の着物と行事編
日本って本当に素晴らしい、この国に生まれたすべての赤ちゃんは、家族をはじめ多くの人に祝福され、多くのお祝いの儀式を通じてその成長を確かめていきます。
帯祝い~お七夜~お宮参り~お食い初め~初節句~初誕生日~七五三~十三参り~入園・入学~成人式まで、それぞれに意味のある儀式ですが、少し割愛して、今回は儀式に欠かせないお着物メインで紹介してまいります。
お宮参り
赤ちゃんが生まれてから30日~33日目(男子は31、32日目、女子は32、33日目)までの間に氏神様に参拝し、子供の誕生を感謝し、長寿健康を祈る行事です。30日~33日目とされているのは、「産の忌」が明けるため、それまでは氏神様との対面は許されないとの事ですが、今はあまりこだわらず、30日目前後で天気の良い日を選び、母子の体調を第一に考えて行いましょう。
初着・のしめ
男の子は羽二重の紋付で鷹や鶴、兜に富士山など男の子らしい柄の物、色は紺・黒・緑など有り紋の継承もあり五つ紋をお入れします。女の子はちりめんの生地に花柄や友禅を基調とした赤やピンクなど女の子らしい可愛いものが人気です。
七五三
11月15日 数え年で、男の子は5歳、女の子は3歳と7歳に晴れ着を着て神社・氏神様に参拝して、無事に成長した事を感謝し、これからの将来の長寿・健康をお祈りする行事です。11月15日はこの日が二十八宿の鬼宿日に当たり、婚礼以外は、なに事も吉とされていた事が由来です。
男の子は紋付に羽織袴、初着をお持ちなら、袴と羽織を準備します。3歳の女の子は肩上げをした着物に帯は結ばず、被布と言われるベストのような羽織を合わせます。いずれも初着を利用します。7歳の女の子は肩上げと腰上げをした着物に帯を結びます。
十三参り
主に関西(京都中心)に伝わる習慣で、陰暦3月14日、現在の4月13日に数えで13歳になった男女が虚空菩薩(こうくうぼさつ・京都 嵯峨野 法輪寺が有名)にお参りします。知恵と福徳を授かると言われ、女の子は初めての厄年にあたることから、厄落としの意味も込められています。お参りの後、後ろを振り返らないと言うのが定説です。女の子は四つ身の子供用の着物から、この時期より本裁の着物に変わります。着物の指定はとくにありませんが、小紋なら袖丈を長めに、現在は大きめの女の子も多く大人の寸法でも大丈夫ですが肩の縫い上げをされると初々しさが出て可愛らしく着れます。帯は袋帯を飾り結びなどで結びます。男の子は紋付袴、一般的にはスーツが多くなってきています。
成人式
元々は男子の初めて冠をかぶり髪型や衣装を改める元服の儀式「加冠の儀」が由来とされ、女子は長い髪を初めて結い上げる「髪上の儀」となり、これより名実共に大人の仲間入りとなります。ミスの第一礼装が振袖。振袖の由来は脇の空いた「振り」のある子供の着物の意味で、長い袖の着物の総称となっています。袖の長いものから、大振袖(本振袖)・中振袖・小振袖と続き大振袖の袖丈が三尺(114cm)前後、中振袖で二尺四寸(100cm)前後長いほど豪華となりますが、現在の成人式は中振袖が一般的です。男性は正式に黒紋付羽織袴ですが、色物・柄物など豊富になってきています。