日本の伝統的な履物の一つ草履について
草履の種類
草履の種類はいくつかありますが、現代では、「革草履」が、主流で男性用・女性用とも革・布・ビニールなどで覆われた小判型の靴底、「ソール」に同種の表をつけ、鼻緒を据えます。靴底の素材は良質のコルク製でありましたが、和装の衰退にともない安価なウレタンにとって代わりました。正装で用いられるような高級品は底を重ねて厚みを持たせてあり、「何枚草履」などと呼ばれています。地面と接する底裏の部分はウレタンゴムが貼られています。
畳の材量であるイグサ素材を編んだ古風な「畳表草履」は、歌舞伎などの舞台用として、一部の男性用としてみかけるようになり、現在では廃れてしまいました。男性用で、厚みのない台の裏に牛革やウレタンゴムを張り、鼻緒を据えた四角い草履を雪駄と言います。また、草履に似た形状で布や藁を素材とし、後部に足首に固定するための結び紐を付けた履物は、わらじと呼び、古くは労働などの日常作業用の履物として普及しました。最近では、使い古した布地を再利用する為、また室内で鼻緒付の履物を取り入れるためスリッパに代わる存在として、手作りの「布ぞうり」を製作する人がふえています。
草履を履いたときに、つま先をトントンと床に打つのはNGです。
つま先が潰れますので絶対してはいけません!
草履のTPOについて
草履の簡単なTPOとして紹介すると、大きく分けて3つとなります。
① 礼装用草履
「留袖、振袖、訪問着、付下、紋付の色無地」などは主に金色・銀色系統の物、帯地などの布製または革やエナメル製。かかとは4~5cm一枚芯よりは三枚芯が最適。
② 普段草履
「小紋などの普段着や色無地など」特に決まったルールはないので、お好きなデザイン、色素材の草履をえらんでください。またかかとの高低も決まりはありません。
③ 弔事用草履
「喪服、又は準喪服《寒色の色無地に黒帯》など」 主に黒の布製のもが多く革やエナメルなどの光るものは不可です。
草履の履き方について
鼻緒がよじれないように気をつけて足を入れてましょう。
鼻緒が足の形に馴染み履きやすくなります。草履を手で押さえたりすると姿勢がくずれ、美しくありません。
【履く時】左右の草履の内側に草履の先をあてると足指が スムーズに鼻緒の坪に入ります。
カカトが少し出る程度がキレイです。
【脱ぐ時】左右の草履の内側に右の草履のかかとをあて、鼻緒の坪をはずして後ろにずらします。
鼻緒の坪を外したら両足を揃えて脱ぎましょう。
このポイントを押さえれば、足元美人!